「咲桜が男どもに人気あったのは確かだけど、告白とかされてないのも本当だ」


「え……室長は何を知ってるんですか?」


「咲桜は高一当時からこの見た目だし、料理も上手いから男子連中には好意の目で見られてたけど、一つ問題があってな」


「な、なんですか?」


「学校一問題児で、学年主席の男子生徒の飼い主、だったんだよ」


『………は?』


「それって、頼のこと?」
 

咲桜がその名前を出すと、所員の顔色が悪くなった。


咲桜も、頼がここへ突撃したことがある、とは聞いている。何やったんだあいつ……。


「そう。日義頼を制御出来る唯一ってな。咲桜に惹かれても、彼氏にでもなれば頼までついてきそうで敬遠されてたってことだ」


『そ、そうなんですね……』
 

所員が一気にトーンダウンしていた。


「流夜くん、そうなの?」