朧咲夜ー番外篇ー【完】



龍生は話を変えた。


「それよかあいつは来ねえのか? この縁組の仕掛け人だろうに」


「仕事次第だってさ。まあ愛子なら――


「はーい! 流夜くんと咲桜ちゃんのキューピッド登☆場!」
 

両開きの扉を勢いよく開けてやって来たのは、春芽愛子(かすが まなこ)だった。
 

今日も艶やかで華やかな愛子は、胸を張ってのたまった。


「お、みんな揃ってるねー。初めましての人もいるかな。警視庁所属の春芽愛子よ。流夜くんと咲桜ちゃんのお見合いを仕掛けた張本人よ! 感謝しなさい流夜くん!」


「ほんとナニサマだお前は」
 

びしっと指さす愛子に、流夜はため息をついた。


そんなの愛子は気にしない。


「申し訳ないけど、式には参列出来ないの。咲桜ちゃんの花嫁姿と流夜くんの仮装大賞を見るために時間作りたかったのだけど、これが精いっぱいで」
 

すまなそうに顔を歪める愛子。


それは本当のようで、仕事を抜けて急いで来てくれたらしい。


礼装ではなく仕事用のスーツだ。