朧咲夜ー番外篇ー【完】



流桜子を前にして、るなはびくりと肩を震わせた。


背丈も同じ頃の、同い年の女の子。流桜子はにっこり笑う。


「るなちゃん!」
 

るなの手は、頼が土下座したときに放していたので、流桜子はるなの両手を握った。


「おかーさんっ、流桜のおともだちっ」
 

夜々子に向かって言った流桜子に、るなはびっくりした顔で何度も瞬いている。


流桜子の中では、もうるなは友達らしい。


「頼おにいちゃんの、いもうと? こども?」


「どっちかっていうと妹かな。年齢的には」
 

頼が膝を折って、目線を低くする。


「流桜だよっ。よろしくねっ」
 

はつらつと喋る流桜子に呑まれてしまったようなるなだが、ややおおいてからこっくり肯いた。


それを見た咲桜、流夜に耳打ちした。


流夜も肯き、二人は夜々子と在義に短く話した。


「お前が子どもを育てる、ねえ……」
 

話が終わった咲桜が呟く。