朧咲夜ー番外篇ー【完】



「おい新郎。さすがに琉奏が可哀想になってきたよ。あいつ、お前のことすきなんだからさー」
 

降渡が、ぽんと流夜の肩を叩いた。流夜は思いっきり嫌そうな顔をする。


「何言ってんだ、気味悪い」
 

トドメの追撃だった。


琉奏がくずおれそうになるのを、旭葵が慌てて支えてやった。


「そういう意味じゃねーよ! 雲居も誤解される言い方するな!」


「ほかになんて言やぁいいの。琉奏も、りゅうの『咲桜ちゃん以外どうでもいい』は知ってんだろ?」


「娘さんと張り合う気はないからな⁉ そこへ並べるな!」


「え、咲桜ちゃんに対抗してたんじゃないないの? 琉奏」


「お前は全部わかっててそういうこと言ってんだろ! 弥栄、絶対にあいつらに毒されるなよ。お前はそのままいい奴でいてくれ」


「え? えーと……」
 

急に話を振られて、旭葵は当惑している。
 

こそっと、遙音が在義の傍に寄ってきた。