朧咲夜ー番外篇ー【完】



「んー? なんとなく流夜の方にも似てる気がする……んだけど……」
 

旭葵の言葉はだんだん小さくなった。


桃子が美流子であることは、公にされているわけではない――


「俺の戸籍上の姉だしな」


「そっかー………え?」


「ちょっと、流夜くんっ」
 

慌てたのは在義だった。


「在義父さん、いいのいいの」
 

咲桜は咲桜で、全然動揺していない。


「姉って――それじゃあ流夜と咲桜って――」


「言ったろ、戸籍上って。養子になって姉になった人だから、真実姉弟ではない」


「びっくりした……叔父と姪なのかと思った……」
 

人のいい旭葵は、本気で心配したようだ。