無言で歩を進めた流夜は、そのまま咲桜を抱きしめた。 「りゅっ、お、お化粧うつっちゃうよっ」 「うん」 流夜のいきなりの行動には慣れているけど、人前でこれは恥ずかしい。 恥ずかしいのは咲桜だけではなかった。 「降渡、あれってほんとに神宮なの?」 「おいじんぐー、弥栄と宮寺が困ってるけどー」 流夜の咲桜べた惚れに慣れていない面々は、どう対処していいのかわからない。 「おいコラ腑抜け。ほどほどにしろや」 「痛っ」