「わっ?」


「うん。お前はほんと……」


「な、なに? どうしたの」


「……なんでもない」


「えー?」


「ほんと、なんでもないよ。まあ、結婚の話してたら俺らんときを思い出したけど?」


「う……」
 

流夜のからかうような言葉に、咲桜は一年前を思い出して真赤になった。
 

咲桜と流夜が入籍をしたのは再会した――十八歳の――年の五月だが、結婚式をあげたのは、咲桜が二十一歳になる年の六月だった――――………。