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この春、笑満は大学を卒業した。


大学では心理学を学ぶ傍ら、一年早く大学生を終えて正式に『白』を継いだ遙音のサポートをするべく、料理の勉強もしていた。
 

卒業後は『白』一本にするか悩んだのだが、『白』を利用するのは笑満が知るよりも深い闇が関わってくる人たちが多い。


大学の先輩との縁もあって、城葉研究学園都市の中の一つの研究所に籍を置くことになった。
 

咲桜は高校卒業と同時に桜台法律事務所に入ったので、社会人としては咲桜の方が先輩になる。


「咲桜―! 先生も来てくれたんだ!」


「笑満―! おめでとう!」


『白』に入るなり、ぎゅむっと抱き付く様子は咲桜が笑満の彼氏と言われていた頃から変わらない。


「降渡は?」
 

吹雪はもう席にいたので、流夜は座る遙音に訊いた。