「ただいま。流夜くんも、やっと帰って来たね」
「長いこと、すみませんでした」
「いや、まあ私も大分いじめたしね。二人からの話もありそうだけど、私たちからも話すことがあるんだ。夜々ちゃん」
在義に続いて入って来たのは夜々子だった。
昼間の式のときとは違って普段着。
「父さん――?」
「うん。先に二人の方を訊こうか?」
L字型のソファ。在義と咲桜を間に座った。
咲桜がそわそわしているのを察している流夜だったが、在義の話の想像も大体はついている。
咲桜に決めさせるために、先にそれを聞いておいた方がいい気がした。
「在義さん、先にそちらを窺ってもいいですか? 咲桜も、それを聞いて最終的に決めた方がいいと思うんだ」
「最終的?」
きょとんとする咲桜に、在義は「あー」とらしくもなく唸った。