そんな戯言みたいな関係で長くきたけど、咲桜の卒業を一つの区切りとして認識していると気づいた頃から、俺は負けていた。


夜々ちゃんに、ではなくて、華取のしがらみに。兄の遺した呪いの願いに。


はい。降参するしかない。
 

ずっと、すきだったよ。夜々ちゃん。これからは、愛していいだろうか。
 

咲桜は夜々ちゃんを大すきだから、負けを認める。


生まれてくる二人目の娘の一番にも、俺はなれないだろう。


……咲桜が俺を遙かに凌駕するほどすでに愛しまくっているから。


二人目の娘まで女好きになったらどうしようという悩みがあるくらいだ。


「どんだけカオスなんだ? お前の家族は」