ーーー教室にて
響「はぁ、あの娘と同じクラスになられへんかなぁ。」
我ながら気持ち悪い事を言っていた。
?「え、真央も同じクラスなのー!?」
?「優里も!?」
ザワザワ……シーン……
響「何や?いきなり静かになっ…て…」
え!?何でうちのクラスに赤髪の娘が居るん!?
まさか、同じクラスとか!?
ありがとー、神様!
彼女は、黒板で席を確認すると、俺の方へ歩いてきた。
そして俺の隣に座った。
嘘やろ!?隣の席か!!
一つ深呼吸をして、
響「さ、さっきぶりやな!俺は、濱野 響。
よろしくな!!」
紅「……。」
無視かい!?……まぁ、こんなんでくたばる俺やないけど。
響「なぁ、名前なんて言うん?」
紅「……神崎。」
響「下は?」
紅「何でアンタにそこまで教えなきゃいけな
いの?」
あぁ、こいつ暗闇の中に居るんや。
だから、あんなに暗くて儚い目してるんや。
…助けてやりたい。
響「俺は、人のことは下の名前で呼ぶって決
めてんねん!で、名前は?」
紅「教えるからこれ以上話しかけないで……
私は、神崎紅音。」
紅音……
響「めっちゃぴったりやん!」
紅「……。」
この時、俺は、紅音が俺らの歌姫になるやなんて思いもよらんかった。
ただ、紅音の笑顔が見たいと思ったーー。



