そこで見た風景に俺は、愕然とした。


響「……紅音?お前ら何しとんねん!?」

愛「紅音、大丈夫?」

ヤ2「やべ!?」

俺は、一人のヤンキーの胸ぐら掴んで殴ろうとした。

紅「響、ダメ!!」

っ!?

紅「ダメだよ、響。殴っちゃダメ……。その手は、音を奏でる手なんだから。」

響「……紅音。」

殴りたかった……。

けど、これ以上紅音に泣いて欲しなかった。

俺は、振り上げた手を下ろして男を突き飛ばした。

愛「響、紅音のそばにいなさい。……ここからは、私の仕事よ。」

響「は?」

愛は、そう言うと紅音の傍から離れていった。

紅音は、震えとった。

っ……!!

響「これ、着とき。」

紅音のブラウスは引きちぎられたのか、ところどころボタンが飛んどった。

クーラー対策で着とったカーディガンを渡した。

紅「あ、りがと。」

今までにみたどの紅音よりも弱々しかった。

……守ってやりたかった。