響「……来た。」
少しずつ太陽が現れてきた。
私は、その光景に息を呑んだ。
響「……俺らにも日の出は来るんかな。」
紅「え?」
響「メジャーデビュー出来るんかな、''俺ら''。」
響が珍しく弱音を吐いた。
……響?
紅「出来るよ、いきなりどうしたの?」
響「外の空気吸いたなったんは、夢見たからやねん。」
紅「夢?」
響「紅音がデビューしてく夢。……紅音一人がデビューする夢。」
紅「え?」
……私一人が?
なんでそんな夢……。
響「紅音がデビュー出来ひんわけが無い。けど、Re:T.R.Yはどうなんやろう、って思った。……昨日、紅音が一人で俺らに歌ってくれてなんか、嬉しかったのと同時に紅音が遠くなるような気がしてん。」
紅「響……。」
私はなんて言えばいい?
今胸の中にある感情を言葉に出来るだろうか。
出来ないかもしれない。
けど、今君に伝えなくちゃ……。