凌「すげー、いい曲!!」
パチパチパチ!!
あ、終わったんか……。
玲「普通にライブで披露しようよ!!」
紅「ありがとう。」
優「す、すごいね。僕ら凄いもの聞いちゃった。」
紅「凄くないけど。……響、どうしたの?」
響「え!あー、凄すぎて何も言われへんわ。」
紅「そんなに凄くないって。
……あのさ、この曲はみんなに向けた感謝の歌なんだ。」
愛「感謝?」
紅「うん。私さ、ちょっと前まで生きてることが辛かった。
私なんか生きてていいのかって思って、自分のことがどうでも良くなった。
高校に入って赤髪にして、誰とも関わらないでいようと思った。でも、みんなに出会えて変われた。友達とこんな綺麗な星空を見れるなんて思わなかった。
ありがとう、友達になってくれて。」
紅音は、お母さんに愛されてなかった。
あの頃の気持ちなんやろな。
……こんな俺でもお前を救えたんかな。
紅音は、俺らにありがとうって言うけど、こっちこそほんまにありがとう。
響「そんなこと言うなや。
俺だって紅音に助けられたんや。それに友達になるのに感謝は、要らんで。」
紅「私、何もしてないけど。」
響「……俺な、Re:BIRTHを続けていこうか、ずっと不安やってん。個々の技術も個性も強い。やのに、俺がボーカルで、みんなの邪魔してたんや。」
真「響……。」
響「だから、あの時俺たちのバンドに入ってくれてほんまにありがとう。紅音が入ってくれたから、Re:T.R.Yが誕生したから俺は今も音楽が出来るんや。
ほんまにありがとう。」
紅「……知ってたよ、響の気持ち。」
響「え?」
紅「初めてライブ見にいった時、響どこか寂しそうというか、哀しそうな顔してたから。」
あの頃が1番悩んでた時やったからな。
紅「確かに響の声は、バンドのメインヴォーカルとしてはどこか物足りないかもしれない。」
凌「ちょっと、紅音……。」
紅「でも、ハモりはすごいと思う。私は、響のハモりがあるから、気持ちよく歌える。
ヴォーカルを気持ちよく歌わせるっていうのも、才能だよ。」
響「っ!!……そっか。」
俺の声にも才能があるんや。
そう思ったら涙が出そうになった。
紅「だから、あんたのその声で私をもっと輝かせて。
みんなのその音でもっとこのバンドを輝かせよう。」
響·真·凌·玲「「おう!!(うん!!)」」
俺たちは、まだまだ輝く。
紅「あれ?蒼は?」
蒼「Zzz……」
凌·響「寝てる……。」
紅音がええこと言うてたのに、何寝とんねん!!
紅「あ!だから、バラードがいいって言ったんだ。」
真「……あぁ、子守唄にか。」
大「子守唄って、豪華だな。」
愛「確かにそうね。」
それからみんなで笑った。
めっちゃ楽しかった。
けど、なんか心がモヤっとするのは何でやろう?



