あたしは音を立てないように静かに立ち上がった。


それを見たアンミたちが歓声に沸く。


龍輝を見て見たが、興味がないのか雑誌に夢中になっている。


やっぱり、龍輝はクラスメートたちの関係性なんてどうでもいいのだ。


晃紀があたしの目の前に立つ。


ふいに教室内が静かになった。


みんなが晃紀の言葉を待っているように感じられた。


「芽衣が好きだ。付き合ってほしい」


意を決したように勢いよくそう言った晃紀。


あたしは息をするのも忘れて晃紀を見ていた。


耳まで真っ赤に染まった顔。


少しうるんだ瞳。


これは……本当の告白だ。


そうわかると、あたしの胸はズキリと痛んだ。


こんな所で、こんな風に告白をさせられるなんて屈辱でしかない。


晃紀の気持ちを考えると居ても立っても居られない気持ちになった。


だけど、逃げちゃいけないんだ。