自殺カタログ

「選んだ自殺方法は?」


「首つり」


そう答えると、理央は目を見開いたまま絶句してしまった。


新聞やニュースで見た女の自殺方法と同じだ。


「本当に……? 嘘じゃないよね?」


「本当だよ」


あたしはそう言い、鞄の中から『自殺カタログ』を取り出した。


そして一番後ろのページをめくる。


ハガキが一枚切り取られているのを理央に見せた。


「本当に、使ったんだね」


証拠としては薄いかと思ったけれど、理央はこれで信じてくれたようだ。


ゴクリと唾を飲み込む音がこちらまで聞こえて来た。


「そうだよ、使ったんだよ」


「それが、実行されたってことだよね?」


「たぶんそうだと思う。あの人には自殺するような理由がないもん」


あの女はそこそこ充実した生活を送っていた。


お金を稼ぎ、時々モデルの仕事をして、アパレル関係のデザイナーとしての勉強も始めたところだった。


あたしは何も聞かされて来なかったけれど、あの女の最終的な目標はモデルとデザイナーを兼用することだったのかもしれない。


自分のブランドを作り、世界へ羽ばたこうとしていたのかも。