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裏口からそっと外へ出て、走りだした。


玄関先にはまだ沢山の報道陣がいる。


時々モデルもやっていたということで、蒔絵さんの自殺について知りたがっている人は腐るほどいるらしい。


走って走ってたどり着いたのは学校の近くのファミレスだった。


店内に入って冷房を感じると、ホッと息を吐き出した。


「芽衣!」


すぐにあたしに気が付いて片手を上げてくれたのは、お母さんだ。


お金使いの荒いお父さんについていけなくなってしまって離婚したお母さんだけど、家はこの近くだった。


「お母さん!」


あたしはパッと笑顔になり、お母さんが座っている席へと駆け寄った。


窓際の2人席だ。


「芽衣、大変だったね、大丈夫?」


席に座ってすぐにあたしの心配をしてくれるお母さん。


あぁ、本物のお母さんだ。


そう思うだけであたしの顔はほころんでいく。


「なんとか、大丈夫だよ」


あたしがそう言うとホッとした笑顔を浮かべてくれる。


「お父さんは……大丈夫そう?」


一応、という感じでお父さんの事も聞いてくる。


「あの人はなにがあっても平気だと思う」