そう思い立ったあたしは早足で階段を上った。


ついて来ていたアンミたちをその場に残し、一段飛ばしで屋上へ続く階段を上がって行く。


息を切らしながら屋上へ続くドアの前まで来た。


覚悟はとっくの前に決まっている。


ゴクリと唾を飲み込み、大きく深呼吸をしてドアノブに手をかけた。


カチャ……。


些細な音が大きく響く。


しかし、ドアノブは少し反応を見せるものの、回らない。


うそ……。


あたしは何度も何度もドアノブを回す。


しかし、ドアは開かない。


うそでしょ?


冗談でしょ?


焦りで背中に嫌な汗が流れて行く。


乱暴なほどにドアノブを回しても、ドアはびくともしなかった。


鍵をかけられてしまった……。


考えれば当然の事だった。


放課後は警備員が巡回をしている。


その時に鍵が開いていることに気が付いて、閉めたんだ。