それはすべて自分がイジメのターゲットにならないための行動だ。


自分が吹き込んだイジメの方法を実行する様子を見て、満足する。


自分は役に立ってる。


だからイジメられることはない。


あたしを徹底的に痛めつけることで自分の身を守る汚い奴ら。


そんな奴らがみんなそろって泣いている姿を想像するのは愉快だった。


また強い風が吹いてあたしのスカートを揺らした。



太ももが露わになり、今朝付けられたばかりの青アザが見えた。


学校に登校してきてすぐあたしは足を引っかけられて転んだのだ。


その場所が階段の一番上だったため、一気に転げ落ちてしまったのだ。


その時にあちこちぶつけて、体中に青アザができていた。


あたしの足を引っかけたクラスメートは落ちていくあたしを見て大声で笑っていた。


「なにしてんの? 階段から落ちるとか、ダッサー!」


そう言ってはしゃぐ彼女の周りには沢山のクラスメートたちがいた。


誰もあたしを助けようとはしない。


一緒になって笑い、罵声を浴びせて来る。


人が階段から落ちたというのに、それを見てもなにも感じなくなってしまったかわいそうな連中だ。


あたしなら、誰かが階段から落ちたら手を伸ばすだろう。


手を握る事ができなくたって、きっと助けようとする。