小さな出来事から、大きな学年行事まで、自分たちが中心になる事ができるのだ。


それでも理央は首をかしげている。


「理央はクラスカースト上位になりたいと思わないの?」


そう聞くと、理央はしっかりと頷いた。


「あたしはイジメっ子がいなくなればそれでいいから」


その言葉にあたしは呆れてしまった。


思えば理央はずっとそうだった。


あたしがカースト上位と仲良くするようになってからも、ずっと最下位にいた。


それでも辛そうな顔なんて見せず、自分の立場なんて興味なさそうな顔をしていた。


「イジメっ子と先生を含めて全員死んでも、またクラスカーストは出来上がるよ」


「そうかな?」


理央は首をかしげてあたしを見る。


「2年生の間はさすがにないかもしれない。でも、3年に上がって多少なりクラスが変われば、そこでまた上下関係ができる。今までだって、そんな風にしてきたじゃん」


「そうかもしれないけど……クラス内で上下関係ができても、それがイジメに発展するとは限らないじゃん」


理央の言葉にあたしはため息を吐き出した。


理央は表だってイジメられた経験がないから、そんなのんびりした事をいっていられるんだ。


だけどあたしは違う。


イジメを受けて、死ぬほどの辛さを味わっているんだ。


もう二度と、そんな場所まで転落なんてしたくない。