自殺カタログ

あたしに渡されているのは月20万円。


光熱費などはお父さんの口座から引き落とされているから、その他もろもろをこの20万円でやりくりしている。


といっても、女もお父さんもあまり家にいないから、そのお金もなかなか減らない。


あたしに渡されたお金は他の口座に入れられていて、毎月数万円ずつの貯金ができていた。


あたしの手が女の通帳に伸びた。


それはまるで他人の手のように見える。


あたしは今まで女の給料に興味なんてなかった。


月々しっかりお金を入れてくれているし、それならいいかと思っていた。


家事をなにも手伝わないというのは癪に障る部分だけれど、女が大量に稼いでいるとすればその態度も頷けるのだ。


だいたい、ナンバーワンキャバクラ嬢が月40万円しかもらっていないだなんて、あたしは信じてもいなかった。


女が働いている店はとても有名で、お店も女も何度も雑誌に出ているのだ。


時にはテレビ取材だって受けている。


最近では臨時的にモデルの仕事などもこなしていて、その給料は更に跳ね上がっているはずだった。


あたしは自分の手の中に女の手帳があるのを見た。


ゴクリと唾を飲み込み、寝室へ続くドアを見る。


女のせき込む声はまだ聞こえてきている。