沢山のクラスメートや同級生たちがあたしたちを追い越していく。


「なんで?」


「だって芽衣は……神様に祈ってたから」


晃紀が小さな声でそう言った。


あたしの耳にだけ聞こえるような、小さな声に全身が震える。


「どうしてそれを……?」


確かにあたしは神様に祈っていたことがある。


アンミたちのイジメが始まったすぐの事だった。


あたしはまだイジメがエスカレートするとも思っていなかったし、アンミたちとも仲良くなれると本気で思っていた。


だから1人で縁結びの神社に行って、お願い事をしていたのだ。


『クラスメートの子たちと仲良くなれますように』


そんなことができたのは、学校生活に期待があった当時だけだった。


イジメがエスカレートしていくにつれてあたしは神社に足を向けなくなっていた。


神様なんかいない。


お願い事をした時間を返してほしい。


そんな風に逆恨みをしていたこともある。