自殺カタログ

例えばあたしが女芸人なら、下着姿でテレビの出ることも躊躇わないのかもしれない。


それが仕事であって、そうやって芸人としての命を繋いでいく。


そう考えれば、下着になって笑われる事も誇りになるのかもしれない。


「羨ましいな」


思わずそう呟いていた。


そんな生き方ができる人が羨ましい。


自分にやられた事を笑いに変えて、みんなを元気にしている。


あたしはただ蔑まれて、見下されて笑われているだけだ。


自分から笑わせる事と、笑われることには決定的な違いがあった。


寝室の方からせき込む声が聞こえて来る。


薬を飲めば眠気が襲ってくるだろうと思っていたけれど、あの女はまだ苦しんでいるようだ。


あたしは立ちあがり、薬の置いてある棚へ向かった。


喉飴があったはずだ。


そう思い、引き出しを開ける。


そこには女の通帳が置いてあった。


薬が入っているのは隣だったか。


そう思い、引き出しを閉じかけたところで手を止めた。


女から生活費は貰っている。


それは給料の半分ほどだと聞いていた。