次の授業で科学室を訪れた生徒が、アンミの死体を発見した。


アンミの顔は誰のものかわからないくらいに溶けてドロドロになっていたらしい。


その話を聞いた後の3組はさすがに静かだった。


龍輝がアンミから奪った松葉づえはずっとロッカーの上に置かれたままだ。


アンミを間接的に殺したのは龍輝だ。


誰もがそう感じていただろう。


だけど、誰もなにも言わなかった。


龍輝はいつものようにボクシングの雑誌を広げて読んでいたのだった。