棚の中に並べられている瓶がいくつか割れて、異臭を放つ。


あたしと理央は同時に自分の口と鼻を手で覆っていた。


しかしアンミにはそれができない。


なにかの薬品が混ざり合い、灰色の煙が立ち上る。


アンミはどうにかその場から逃げようとするが、


また戸棚の方に体が傾いてしまった。


ガチャンッ!


と、割れる音が響き渡り、瓶に入っている薬品がアンミに飛び散る。


瞬間、アンミが顔をしかめて戸棚から身を引いた。


と、同時に体を支えるものがなくなり、アンミはその場に倒れてしまった。


アンミがぶつかった反動で棚がぐらりと揺れるのを見た。


あ……。


と、思う暇だってなかった。


沢山の毒薬になる薬品がアンミの体に落下していく。


ジュッと肉を焼くときのような音がしてアンミの悲鳴が聞こえて来る。


キツイ異臭が鼻を刺激する。


「行こう、理央」


あたしはその様子を見届けると、理央と2人で科学室を出たのだった。