殺したい相手を殺せる?


そんなものがあるはずがない。


そう思ったけれど、ゴクリと唾を飲み込んでカタログの説明を読み直していた。


自殺方法を選ぶのが自殺志願者本人でなければならないという記載はない。


ただ、サインさえもらえればそれでいいのだ。


そう分かった瞬間、脳裏にアンミの姿が浮かんできた。


続いてその取り巻きの百花と月乃。


そしてアンミの彼氏である龍輝。


みてみぬフリをしているクラスメートたち……。


こんなにも憎い相手がいるということに驚きながら、あたしは理央と頷きあっていた。


これが本物なら、使える。


ためしに使ってみてもいいかもしれない……。