100回も『ごめんなさい』を言わられると、人間の頭はどうにかなってしまうようで、相手の要望を素直に聞き入れてしまうようになる。


自分がそうだったから、よくわかる。


アンミに謝罪をさせた後、机と椅子を一緒に運んでやるとアンミは泣きながら「ありがとう」と繰り返した。


絶望のどん底で少しの光を見せてやると、こんなに簡単に人間をコントロールすることができるのだ。


これならイジメをやめられなくても当然だと感じた。


教室に戻ってくると龍輝と百花が待ちうけていた。


百花は不満そうな表情であたしを見ている。


「どうしてアンミに手を貸すの?」


そう言われたのであたしは首を傾げた。


「別に手を貸したわけじゃないよ」


「嘘ばっかり!」


百花があたしを睨みつけて来る。


そんな百花にあたしは撮影した動画を見せた。


「どう? おもしろいでしょ」