「専用ハガキって、これだね? こんなに沢山いる?」


カタログの後ろ半分はすべてが専用ハガキになっている状態だ。


自殺者は1度死んでしまえばそれで終わりだと言うのに、こんなに沢山のハガキが付いているのは不思議だった。


「芽衣、これを使おうとしてたワケじゃないよね?」


不意に真剣な表情に戻った理央がそう言ってきた。


ドキリと心臓が鳴るが、どうにか笑顔を浮かべた。


「そ、そんなワケないじゃん」


「そうだよね? 本当に、使わないよね?」


あたしの作り笑顔が下手だったからか、理央はまだ心配そうな表情をしている。


「大丈夫だよ理央。だって今日はこうして理央があたしに声をかけてくれたじゃん。だから、大丈夫だよ」


今まであたしはひとりぼっちだった。


クラスカースト最下位まで落ちてしまって、イジメられて見て見ぬふりをされて、もうダメだと思っていた。


だけどそれは変わったのだ。


今、あたしの前に理央が立っている。


それは紛れもない事実なんだから。


たった1人友達がいるだけで、こんなにも世界は変わる。


それを、しっかりと刻み込まれた気分だった。