あたしと理央が向かったのは校舎裏だった。


以前あたしもそこでイジメられていたし、やはりひと目のない場所と言えばそこしかなかった。


足早に向かうと思っていた通り月乃がいた。


泥まみれの制服で、胸元ははだけた状態で月乃は倒れていた。


近づいて確認してみると、呼吸はしている。


気絶しているだけみたいだ。


「なぁんだ。殺しちゃってたら面白かったのにね」


アンミと龍輝が人殺しになれば大問題だったのに、さすがにそこまでバカじゃなかったようだ。


あたしからすれば本当に残念だ。


「生きてるんだから仕方ないじゃん」


理央はそう言い、しゃがみ込んで月乃の体をゆさぶった。


「月乃、起きて」


あたしも声をかける。


月乃はしばらく反応を見せなかったが、根気強く声をかけているとようやく薄目を開けた。


あたしを見た瞬間悲鳴にならない悲鳴を上げて逃げようとする。


アンミと勘違いしているのかもしれない。