後ろにはアンミ、前には龍輝。


その間に挟まれている月乃。


最悪の状況だ。


それでもあたしは目の端でそれを確認するだけだった。


昨日の段階で月乃には逃げ道を用意してある。


このイジメを毎日受けるか、それとも2人にサインをさせて自殺させるか。


決めるのは月乃だ。


あたしはそれ以外の事で手助けなんてしない。


龍輝の手が伸びて月乃の首元のリボンをはずした。


百花がはやし立てるように拍手をする。


月乃が百花を睨み付ける。


百花に対してはまだ強い態度に出ている月乃に驚いた。


まだまだ、精神的に余裕があるということかもしれない。


リボンが解かれてブラウスに手がかかる。


龍輝の大きな手は容赦なく月乃の制服を脱がしていく。


ふと、考えた。


ここは今教室だから龍輝は冷静でいるんだ。


冷静な状況で服を脱がせるという卑劣な行為ができるということは、月乃と2人きりになったらそれ以上の事もあり得る。


龍輝は月乃を2番目の女として認識しているし、体を求められるのは時間の問題だ。


そう考えると、自然と頬が緩んで笑っていた。


月乃ならそんな事になる前に行動に移すハズだった。