担任の先生から光が運ばれた病院を教えてもらっていた。


学校からは少し離れた場所にある病院に行くため、あたしたちはバスに乗っていた。


バスの中には同じ制服を着た生徒たちが何人かいて、月乃は身を隠すようにして一番後ろの席に座った。


あたしと理央は月乃を挟むようにして座った。


「光のお見舞いにいくの?」


月乃がどちらにともなくそう聞いて来た。


理央がうなづく。


「そうだよ」


あたしは答える。


「でも、今は大変な時だから行かない方がいいんじゃないかな? 言っても、話はできないだろうし」


月乃がそうやって光の事を気にするのは思っていた通りだった。


クラスカーストを下から見ているとその様子はよくわかる。


龍輝の次がアンミ。


その次に月乃や百花、晃紀と光がいる。


だけどそれを更に具体的にしていけば、月乃はカーストの中で最下位になるのだ。


だからこそ、今日みたいなことが起こった。


そしてそうならないように、光が月乃を庇っていたことが多々あったのだ。


きっと、光は月乃の事が好きだったのだろう。


カーストから落とされないように気をつけていたのがわかっていた。