自殺カタログ

「アンミ、死神は見えないものだよ?」


アンミの後ろから月乃が楽しげにそう言った。


「そうそう! だからほら、こんなことしても大丈夫なんだよ!」


百花があたしの頭をはたく。


パンッと大きな音が響いて目の前がクラクラした。


本気で叩かれたらしい。


「あ、そっかぁ! そうだよね、死神なんて普通の人間のあたしたちには見えないもんね!」


アンミはそう言い、あたしの肩を押した。


座っていた椅子がグラリと揺れて地面に倒れる。


それを見たアンミたちが大声で笑い始めた。


見上げるとアンミたちの後ろに理央の姿を見つけた。


理央は無表情であたしを見ている。


その顔にあたしは思わず笑ってしまった。


無表情というのは、同情されたり見て見ぬフリをされるよりも何倍もマシだった。


理央はちゃんとあたしを見ている。


見ながら、自分で起き上がれと言っているのだ。


「なにこいつ1人で笑ってるんだけど」


「さすが死神、マジきもーい!」


「見えない死神はこんなことしてもいいんだよ!」


百花があたしのスカートをめくり上げる。


「パンツきったねぇ!!」


アンミが余計にはしゃいでそう声を上げる。