☆☆☆

家に帰ったあたしは『自殺カタログ』を広げていた。


今回はどんな方法で自殺させようか。


そうせだから『首つり』と『車に轢かれる』以外を選択したい。


ついにクラスカースト上位者にこのカタログを使う事ができるのだ、できれば心に残るような自殺をさせたい。


そう思ったあたしはある自殺方法が目に止まった。


『焼死』だった。


体を焼かれて死ぬなんてどれほど苦しい事だろうか。


炎に包まれた体は皮がはがれてドロドロに溶けて行くのだろう。


血と体液に塗れながらその形を崩していく様子が浮かんでくるようだ。


更に焼かれた体は炭になるのだろう。


もう人とは呼べない、真っ黒な物体に変化する。


その頃には心臓も止まり、修復不可能なほど焼き尽くされているのだ。


考えれば考えるほど震える。


怖いのではない、楽しいのだ。


あたしは迷う事なく『焼死』を選択し、サイン欄を貼り直したのだった。