あたしははやる気持ちをおさえつつ、学校へ向かっていた。
鞄を両手でギュッと抱きしめて歩くその姿は、傍から見れば妙なものだろう。
だけど鞄の中には大切なカタログが入っているのだ。
こうして胸に抱きかかえていないとどうしても不安になってしまった。
家を出て早足で学校に到着する。
息つく暇もなく階段を上がる。
時刻はまだ早く、まばらにしか生徒の姿がない。
だけどこんな時間だからこそ、できることがあった。
「芽衣、こっち!」
教室へ入ろうとしたあたしを呼び止めたのは理央だった。
理央は空き教室から顔を出している。
あたしは頷き、そちらへ足を進める。
「これ、アンミの好きなブランド服のカタログだよ」
理央はそう言い、鞄から薄い冊子を取り出した。
「いいね」
あたしは頷く。
「このカタログのサイン部分は切り取って捨てた」
「ってことは、その切り取られた部分に『自殺カタログ』のサインを書く欄を張り付ければいいんだね?」
そう聞くと、理央は大きく頷いた。
鞄を両手でギュッと抱きしめて歩くその姿は、傍から見れば妙なものだろう。
だけど鞄の中には大切なカタログが入っているのだ。
こうして胸に抱きかかえていないとどうしても不安になってしまった。
家を出て早足で学校に到着する。
息つく暇もなく階段を上がる。
時刻はまだ早く、まばらにしか生徒の姿がない。
だけどこんな時間だからこそ、できることがあった。
「芽衣、こっち!」
教室へ入ろうとしたあたしを呼び止めたのは理央だった。
理央は空き教室から顔を出している。
あたしは頷き、そちらへ足を進める。
「これ、アンミの好きなブランド服のカタログだよ」
理央はそう言い、鞄から薄い冊子を取り出した。
「いいね」
あたしは頷く。
「このカタログのサイン部分は切り取って捨てた」
「ってことは、その切り取られた部分に『自殺カタログ』のサインを書く欄を張り付ければいいんだね?」
そう聞くと、理央は大きく頷いた。