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それから放課後まで、あたしと晃紀は時折からかわれる程度で終わった。


晃紀があたしに告白をしたこともキスをしたことも、ノリだったと思われているようだ。


だけど晃紀の真っ赤な顔を間近で見たあたしだけは、晃紀の本当の気持ちに気が付いているつもりだった。


そして放課後。


あたしは意外な人物から呼び出しを食らった。


「ちょっと話ができないかな?」


終了のチャイムが鳴り響き、生徒たちが川のようになって廊下へ向かう中、溝口登(ミゾグチ ノボル)と武田涼太(タケダ リョウタ)があたしに声をかけて来たのだ。


彼等はいずれも理央と同じような立場の人間で、時々アンミにからかわれてはヘラヘラと笑ってその場をやり過ごしている。


カーストは決して高くない生徒だ。


あたしは彼等の呼び出しに困惑した。


彼等の存在はあたしの中では毒にも薬にもならない、ただのクラスメート以外に何物でもなかったからだ。


あたしはクラスの中をみまわして理央の姿を探す。


理央はトイレにでも行っているのか、クラス内に姿はなかった。


あたしは困ったように彼らを見上げる。


彼等もまた、あたしと同じように困ったような表情を浮かべていたのだった。