あたしと晃紀はキスをした。


告白を受けて、恋人同士になった。


全部、アンミ達が仕掛けたことだった。


それでも唇が触れた瞬間体に電流が流れるような感覚があった。


嫌だと感じない自分がひどく不思議だった。


「芽衣、大丈夫?」


「うん……」


教室でキスをさせられたあたしはさすがに教室に居づらくて、保健室に来ていた。


保健室に先生の姿はなかったので、勝手にベッドを拝借している。


理央はベッドの横の椅子に座っていた。


「ごめんね、嫌だったよね? でもこうして付き合ってしまった方がうまく行くと思って」


理央は本当に申し訳なさそうにそう言った。


「平気だから……」


さすがに、晃紀とのキスにドキドキしてしまっただなんて言えなかった。


相手はイジメグループの1人だ。


恋をするなんてありえない。


「午後からの授業はどうする?」


「ん……大丈夫、出るよ」


あたしはそう言い、ようやく落ち着いて来た心臓はホッと息を吐き出したのだった。