おまけに、家賃を払ってくれてたのは、たった一年だけだったから、二年生になってからは、自分が稼いだお金で家賃まで払うようになった。
バイトは二つ掛け持ち。
思ってた以上に辛かったけど、小学生だったころや、中学生だったころに比べれば、どうってことなかった。
香織ちゃんに出会ったのは、二年生のとき。
同じクラスになったんだ。
もちろん、山崎逞翔も。
「あたし、宮原香織。一ノ瀬って言いにくいし長いからさ、凛でいい? あたしのこと、香織でいいからさ」
「う、うん……よろしく、香織ちゃん」
香織ちゃんとは、すぐに打ち解けられた。
バイトのせいで、なかなか遊びに行ったりは出来なかったけど、香織ちゃんのおかげで学校に行くのが楽しかった。
「凛さー……いつも忙しそうにしてるけど、なんかあんの?」
「勉強だよ。私、この学校に入学出来たのも結構ギリギリで……」
「ふーん……」
家の事情とか、バイトのこととか、誰にも知られたくなくて、私は仲のいい香織ちゃんにまで、嘘をついていた。
そして、山崎逞翔と初めて話したのは、六月になったころだった。



