「てか、リンリンは惚れないわけ? 見た目はバッチリだし、紳士的だし? こんなに好条件なのに」
「うーん……」
やっぱり恋愛に結びつけたいらしい。
私はまだ興味がないというか……
今は仕事で精一杯。
「まったく……そんなんだから、いつまで経っても彼氏が出来ないんだよ?」
事実だからこそ、なにも言い返せない。
ちなみに、私の初恋はまだだったりする。
中学卒業まで、転校が続いてて。
高校では独り暮らし始めて、生活費を稼ぐために毎日バイトで、恋愛どころじゃなかった。
大学は女子大に進学したから、男の人との関わりが少なかった。
それと、合コンには行かなかったし。
そんなわけで、まだ恋を知らない。
「一ノ瀬さん、この仕事お願いできますか?」
過去の思い出に浸っていたら、結木さんに話し掛けられた。
「はい」
とまあ、仕事引き受けたのはいいけれども。
どうして私に任せるのですか……
ほかの人に頼めばいいのに。



