秘密の交換をしよう



「謝って済むと思ってんの? 本当、サイテー。よく凛に声かけられたよね」



私の気持ちを代弁してくれた香織ちゃんが、思いっきり山崎を睨みつけた。



止めたいけど……


そうしたくない自分もいる。



「なにがあったのか知りませんけど、とりあえず宮原さんは落ち着いてください」



香織ちゃんと山崎の間に入ったのは、ハルさんだった。


ハルさんに言われて、今にも噛みつきそうだった香織ちゃんは、落ち着いた。


納得いってないようにも見えたけど。



「凛、どうする? あたしが上手く言って、この企画の参加、取り下げてこようか?」



香織ちゃんの言葉に、甘えたい。


香織ちゃんの言う通り、参加したくない。



「凛。逃げるな」



ハルさんは低い声で、私にだけ聴こえるように言った。



「そ、そんな……」


「俺はちゃんと過去と向き合った。それなのに、凛は逃げるのか? 仕事に私情を挟むのか?」



会社なのに、凛って呼び捨てするし、第一人称を俺に変えてるし。


いきなりキャラを変えるなんて、ずるい。