秘密の交換をしよう



半分本当で、半分嘘。


二十五歳までとかじゃなくて、ずっと自分で稼いだお金で生活出来るようにしなければいけない。



だから、目標とかそんなもんじゃない。



でも、さっきのハルさんの話から考えたら、ハルさんは曖昧にされるのは嫌いなんだろう。


だったら、きっぱりと嘘をついてしまうほうがいい。



ちょっと良心は痛むけど……



「そっか。やっぱり見た目のわりにしっかりしてるね」



見た目のわりにって……


やっぱり、失礼な気がするな……



「って、もう四時!?」



そっと時計に目をそらしたのが間違いだったかも。



「もうそんな時間か。そういえば、凛ちゃん、僕が起きたときにすぐ水持ってきてくれたよね。なにしてたの?」


「えっと、それは……」



勝手に冷蔵庫の中を見させてもらってた、なんて言えない。



「ん?」


「ごめんなさい、冷蔵庫の中になにがあるのか見させてもらいました……」