秘密の交換をしよう



美穂ちゃんは、私の同期で、何でも話せる親友。


リンリンっていう呼び名だけは、許し難いけど。



「まさか。だって、あのまま姫鈴さんがここにいたら仕事が進まなかったでしょ?」


「ホントにそれだけ?」



どうして美穂ちゃんはここまで疑うのだろう。



「私は結木さんを助けただけ」



美穂ちゃんは、恋愛に無頓着な私にどうしても彼氏を作らせたいらしい。


時間がある度に、合コンに誘ってくれる。


でも、私の好みの男性がそうそう現れず、現在彼氏なし。



「リンリンは素直じゃないなー」



私が仕事を再開したからか、美穂ちゃんはそう言い捨てて自分の仕事に取り掛かった。



私が素直じゃない……?


割と、素直なほうだと思うけど……



でも、ここで言い返せばまた会話が再開してしまう。


ということで、ここは無視しておくのが得策。



「すみません、さっきの資料、もらえますか?」



質問タイムが終わったのか、結木さんが私のところにまた来た。


本気で、先輩たちに睨まれた。


まるで抜け駆けは禁止だ、と言われているような気分……