姫鈴さんはしぶしぶこの部署を出ていった。
何人かの先輩が出入口に向かって舌を出している。
先輩に対して言う言葉じゃないってわかってるけど……
子供ですか、あなたたちは。
そう思いながら、私は資料を渡さず、自分の席に戻った。
「あれ? 資料確認しなくてもいいんですか?」
結木さんが私の席に来た。
みなさんの顔が怖いから、出来れば来てほしくないな……
「はい。だって、結木さんが困ってそうだったので。迷惑でしたか?」
手を止めて言う。
私は座ってて、結木さんが立ってるから、自然と上目遣いになってしまう。
「いえ、助かりました」
結木さんは微笑んで女性の輪に戻っていった。
実際、自分の席に戻っただけなんだけどね。
「リンリン、結木さんのこと狙ってんの?」
すると、私の後ろの席の美穂ちゃんがコソッと聞いてきた。



