それなら、半熟の目玉焼きは諦めてもらおう。
代わりになる料理、なにがいいかな……
「どうせ寝られないし、ちょっと冷蔵庫の中を見させてもらおっと」
ベッドから降り、寝室を出る。
結木さんは本当にソファーの上で寝ている。
ブランケットがズレていたから、掛け直した。
よし、起きる気配はなし。
「勝手に見させもらいます、すみません」
起こさないように小声で言い、キッチンに向かう。
冷蔵庫には、それなりの食料があった。
その材料でなにが作れるか考えたほうが効率がいいかも。
「うわぁあ!」
冷蔵庫の前にしゃがんで考えていたら、結木さんの叫び声がした。
慌てて見てみれば、結木さんは起き上がって息を切らしていた。
私には気付いてないみたい。
怖い夢でも見たのかな……?
私は食器棚からコップを取り出し、水を入れる。
「結木さん、どうぞ?」