「オススメはなんですか?」
「きゃっ」
横を見たのが間違いだった。
結木さんとの顔の距離、わずか数センチ。
思わず悲鳴のような声を上げてしまった。
これだと、意識してるのがバレバレ……
美穂ちゃんに至っては、ニヤニヤと笑っている。
「一ノ瀬さん?」
「す、全てオススメでしゅ……」
一番困る答えに加え、噛んじゃった……
恥ずかしすぎ……
穴があったら入りたい……
私は膝の上に下ろした両手を見つめる。
もう、耳まで真っ赤になってるだろうけど、今さら隠したって意味ないし。
「ふっ……」
美穂ちゃんたちに笑われるのは、覚悟していた。
でも、私が聞いた笑い声は美穂ちゃんのでも、香織ちゃんのでもなかった。
隣にいる結木さんが、声を殺して笑っていたのだ。
殺しきれてないけど。



