秘密の交換をしよう



「じゃあ、場所は任せてください!」



すると、美穂ちゃんに腕を引っ張られた。



話をよく聞いてなかったから、どこに行くのかわからない。


結木さんは、私たちのあとをついて来ていた。



「み、美穂ちゃん、どこ行くの?」



会社を出て、やっと美穂ちゃんが手を離してくれた。



「いつものとこだよ。ってか、香織も呼ぶ? アイツ、結木さんに興味あったよね」


「それだと人数バランス悪くならない? それに、結木さんの奢りなんだよね? 香織ちゃんは違う部署だよ?」


「結木さん。友人も呼んでもいいですか? 別の部署の子だけど」



美穂ちゃんは後ろを歩く結木さんに言った。


最後の一言は私にしか聞こえないような声量だったけど。



「もちろんですよ」



それなのに、結木さんは優しく微笑んで許可してくれた。


あの微笑み、本当に考えていることがわからないから、信用出来ないんだよな……



あ、でも、仕事ぶりは信用出来るって、今日一日で感じた。



そして、美穂ちゃんは少し離れて香織ちゃんに連絡した。



「今連絡しているのは、一ノ瀬さんの友人でもあるんですか?」



いつの間にか隣を歩いていたらしく、結木さんの声は上から聞こえてきた。