秘密の交換をしよう



結木さんと話していたら、まだここに残っていた先輩たちにこれでもかってほど、睨まれていた。


私は慌てて会話を切り上げ、自分のデスクに戻った。



「お疲れ。これで二度目だね、結木さんを助けたの」


「美穂ちゃん……助けたけど、自分のためなんだから。それだけは、わかってよ?」


「はいはい。恋人はいらないんでしょー?」



美穂ちゃんはそう言いながら、一口サイズのチョコを頬張った。


そして、そのチョコを私にもくれた。



「ありがとう」



それを受け取り、机の上に置いた。



まだ食べる気にはなれない。


お昼で結構お腹いっぱいになったし。



「にしてもさー、リンリン、目立ちすぎ」


「どういうこと?」


「自分のため、とか言ってるけどさ。それ、先輩たちからしたら一ミリも関係ないからね? リンリンがその気がなくても、結木さんがリンリンに惚れたら、それだけで恨まれることになるんだから」



その考えはなかった……


いや、結木さんが私に惚れるわけがない。



「大丈夫。私に惚れる要素とか、ひとつもないから」


「いや、アンタの場合は一目惚れされてるってのもありうる」