私の言葉を聞いたハルさんは、寒そうにコートのポケットに両手を入れて歩きだす。
そんなハルさんの後ろ姿を見つめる。
……そうだ。
私は、後ろになびいているハルさんの黒いマフラーを掴む。
「なっ……」
ハルさんが振り向いた瞬間、私はハルさんの唇に自分の唇を重ねる。
長い時間外にいたせいで、お互いに冷えている。
「……好きだよ、ハル」
出会ってまもなくして言われた、最初のわがまま。
だいぶ時間が経っちゃったけど、大丈夫かな……
若干の不安を抱きつつ、ハルの顔を見る。
ハルの顔は真っ赤で、目を泳がせていた。
うん、大丈夫だったみたい。
「バカ凛。不意打ちとか、反則」
「ごめんね」
そうして私たちは手を繋いで、ハルの家に帰った。
《end》



