「美少年が美青年に成長してる……」
私たちと千秋さんとの間は十数メートルあるはずなのに、千秋さんのその言葉がやけにはっきりと聞こえた。
すると、千秋さんは笑顔で私たちに近付いてきた。
「久しぶりだな、美少年。元気だったか?」
千秋さんは過去になにを言ったのか忘れたのか、そうハルさんに言った。
ハルさんは怒りを我慢しているのか、私の手を強く握った。
「ハルさん、大丈夫ですか?」
「……なんとか」
「この子は? 美少年の彼女?」
本当に忘れてるんじゃないかって思うくらい、千秋さんは質問を続ける。
「いい加減にしてください! ハルさんに昔、なにを言ったか覚えてないんですか!?」
せっかくハルさんが我慢してたのに、私がそれを台無しにしてしまった。
ハルさんが我慢しているのをわかってて、辛い思いをさせたくなかったから、つい……
すると、千秋さんは笑顔を消した。
「……場所、変えよう。時間ある?」



