「さっさと消えろって言ったの、聞こえなかったのか?」
まだ続けてたの!?
もう王子キャラじゃないって知っただけでもショックだろうに、どうしてそうとどめを刺すかな……
彼女はおぼつかない足取りで、人混みに消えていった。
「やっと邪魔者がいなくなった」
そう言うと、ハルさんはそのまま私を抱きしめた。
いわゆる、バックハグってやつ。
初めは人が見ているのに、と恥ずかしかったけど、徐々にハルさんが力を入れていくもんだから、苦しくなってきた。
「ちょっ……放して……」
それを聞いたハルさんは、手を離してくれた。
そして私は振り返ってハルさんの胸を叩いた。
「……ハルさんのバカ」
「ごめん、怒ってる?」
ハルさんは捨てられた子犬のような目で見てきた。
こんな目で見られて、怒ってるなんて、言えない。



