「飲めますけど……すごく弱いんです」
「わかりました。では、ごゆっくり」
翼君は席を立ち、休憩室を出ていった。
「リンリン、デートだね!」
「しっかり準備しないとね」
……どうして、二人はこんなにからかってくるのかな。
というか、準備ってなにをすればいいのかさっぱり。
「もっと大人っぽい格好、化粧をしないと」
「佐倉君を誘惑できるような、大人の女性に変身しよ」
「そんなことしなくていいよ! ただご飯食べに行くだけなんだから」
そう言うと、二人はそろって舌打ちをした。
「つまらないよ、凛」
「つまらなくて結構です!」
「リンリンなら、絶対似合うと思うのになー」
「似合いません!」
変なことばっかり言って……
なにが楽しいのやら、さっぱりわからない。
「まあ、嫌なこと全部忘れて、楽しんできなよ」
香織ちゃんはもう食べ終えたみたいで、弁当の蓋を閉めた。



